■症状の原因をエラーメッセージや画面状態から確認
アンテナ調整といっても、屋根上に設置しているアンテナに問題がある場合と、テレビ側の周辺に問題がある場合で対処方法が変わります。
エラーメッセージやTV画面の映像から、症状を確認する方法を解説します。
BCASカード関連のエラーメッセージが表示される
BCASカードに関するエラーメッセージが、TV画面に表示されることがあります。
そもそもBCASカードとは、デジタル放送(地上デジタル放送・BSデジタル放送・110度CSデジタル放送) を受信するために必要なカードで、TV本体や録画機器を購入した際に同梱されており、BCASカードをTV本体に挿入して視聴します。
TV画面に出るエラーコードは、E100、E101、E102などがあります。
E100は、BCASカードが挿入されていないときに出るメッセージです。よくある事象として「子どもがカードを抜いてしまった」とか「カードが完全に刺さっていない」という理由が多く、改めて差し直しをすれば、エラーが解消する場合があります。
E101とE102は、BCASカードは刺さっているがICチップが読み取れない場合や、使用できないカードが刺さっているときにでるエラーです。
対処方法は、BCASカードのICチップ部分の汚れを拭き取ったり、BCASカードを正しい方向に差し直しをして解消します。
映像は映るが音がしない・画面に黒や青の縦線が入る
映像は映るが音がしない症状があった場合は、最初にケーブル線の接触不良や緩みを確認しましょう。また、TV本体を再起動したりコンセントを抜いてみるなど、簡易的に症状が改善するか確認をしてください。
画面に黒や青の縦線が入る症状は、ケーブルの劣化やコネクタの不良、TV側の液晶パネルの異常などが考えられます。こちらも同様に、TVの再起動や接続不良を疑い、配線の確認をしてみましょう。
上記の確認をしても症状が改善しない場合は、TVの故障も考えられます。保証が残っている場合は購入店舗または、メーカーへの問合せを推奨します。
「E201/E202]のエラーメッセージが表示される
エラーメッセージのE201とE202は、電波受信に問題がある場合に表示されるエラーです。
アンテナ側の受信レベルに問題があるエラーですが、E201のエラー時はまず、TV側のアンテナ設定を確認してください。またE202エラーの場合は、TV側の設定の問題もありますが、そもそも送信されている電波レベルに問題がある場合があります。
例えば、悪天候の影響や地域の電波障害による電波レベルの低下などです。
それ以外にも、TV周りの配線やアンテナ調整の問題なども考えられるため、安易に修復できない場合も潜んでいます。
映像にブロックノイズが出る
画面にブロックノイズがでる症状で最も多い原因は、電波のレベル不足です。
その他、TV機器の接続不良や機器の故障なども考えられます。個人で判断できない症状もあるため、時間が経過しても症状が改善しない場合は、TV系の故障が疑われる場合はメーカーへ、アンテナの不具合が考えられる場合は、アンテナ業者へ調査依頼する必要があるかも知れません。
■テレビアンテナの調整を自分で行うときの流れ
エラーメッセージの内容や対処方法を理解した上で、アンテナ調整を自分で行うときの流れを解説します。
地デジアンテナの正しい向きの確認方法
地上デジタル放送を受信するためには、アンテナの向きを近くの電波塔に向ける必要があります。
降雨や突風、積雪などでズレてしまったアンテナを受信できる方向に戻すためには、正確な電波塔の位置を把握しましょう。
ここでは、電波塔の位置を確認する方法を3つご紹介します。
①周りの家を見る
電波塔の位置を一番簡単に探す方法は、周りの家のアンテナ確認することです。
周りの家に建っているアンテナが、どの方向を向いているか確認してください。また、出来るだけ同じ種類のアンテナを複数確認することを推奨します。
ちなみに、八木式アンテナは一の字型を、デザインアンテナは箱の正面を電波塔方向に向けて調整してください。
②一般社団法人放送サービス高度化推進協会のサイトで近くの中継局を探す
一般社団法人放送サービス高度化推進協会とは、放送事業者をはじめとして、アンテナメーカーやテレビメーカー、放送に関連した各社代表が集まって組織された団体で、A-PABとも呼ばれています。
このA-PABが提供している放送エリアのめやすを利用して、電波塔の位置の確認をすることができます。
③アプリで確認する
スマホで簡単に、電波塔の位置を確認するアプリがあります。
iOS用の「アレドコ」やAndroid用の「テレビアンテナ」などのアプリを取得すれば、簡単に地域の電波塔を確認することも可能です。
BSCSアンテナは南西方向が正しい向き
BS/110度CSアンテナは、地上デジタル放送とは違い電波塔の方向にアンテナを向けて受信しません。なぜなら、 BS/110度CSアンテナの衛星は、南西の空にあるからです。
また、 BS/110度CSアンテナの調整は、南西方向といえども地域によって微妙に角度が違います。左右の方角と上下の仰角の調整は、地上デジタルアンテナに比べて調整が難しく、少しのずれでもうまく受信できない場合があります
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では、実際にアンテナ調整をする際の注意点を解説します。
エラーメッセージの内容や電波塔の位置を確認後、まだまだ作業は続きます。
落下の危険性
正直、アンテナ調整を自身ですることはおすすめできません。
なぜなら、アンテナのある屋根上は高所かつ不安定な場所での作業だからです。2階の屋根上ともなると、7メートル以上の高さになり足元は滑りやすく、地上と違って風も強く吹いています。また、アンテナは意外と重たく、体勢を保つことが難しくバランスを崩して落下する危険性もあります。
それでも作業する場合は、ヘルメットや安全帯を付けるなど対策をした上で、必ず2名以上で作業を行なってください。
金具の劣化や電波の強度のチェック
次に、作業する場合はアンテナの位置や方角の調整以外に、固定している金具の劣化や電波の強度チェックも行いましょう。
アンテナを固定する芯となるアンテナマストの錆やワイヤーの弛み、屋根にアンテナを固定する屋根馬の破損がないかなどを確認し、固定金具の劣化を確認してください。
また、電波強度のチェックも重要です。アンテナを正しい方向に問題なく設置していても、電波を遮る障害物が近くにあったり、そもそも電波の弱いエリアであれば視聴に影響がでます。電波強度のチェックはなかなか素人では難しく、専門的な知識も必要です。また電波が弱い場合は、ブースターでレベルを増幅させる必要もあり、さらに手間がかかってしまうでしょう。
アンテナの調整は専門業者にお願いするのが安心
屋根上でのアンテナ調整には、危険が伴い専門的な知識が必要だということがお分かりいただけたと思います。
もし、自身でうまく作業が出来たとしても、その後、安定して視聴が続くかどうかもわかりません。つまり、自分でアンテナ調整をするには、技術的に限界があるということなのです。
アンテナ調整であれこれ悩んでいるなら、安全面と不測の事態も考えて、専門業者に依頼することをおすすめします。
アンテナ調整ができる専門業者に依頼すれば、一からすべてを任せられるからとても安心です。
■まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、アンテナ調整を自分でやる方法と注意点について解説しました。
エラーメッセージや画面の状態から理由さえ分かれば、自身で解決する方法があることがお分かりいただけたかと思います。しかし、アンテナ調整には一部危険が伴う作業もあるため、知識のある専門業者に依頼することをおすすめします。
本記事が、アンテナ調整で悩んでいる方の参考となれば幸いです。
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